団地詳細情報

木場公園三好住宅


  • 団地の実直な雰囲気を残しながらも、そのイメージを覆した団地。
  • 旧公団が坂倉建築研究所と共に作り上げた団地は、表情豊かな路地空間を内側に配し、それを囲むように下町らしい温かみのある空間を、モダニズムの建築で表現しています。
  • なかなか空きが出ないというのもうなずける、魅力溢れる空間です。
所在地 東京都江東区三好三丁目1
家賃 65,900円〜141,600円
面積 36平米〜69平米
交通 都営大江戸線「清澄白河」駅 徒歩10分/東京メトロ半蔵門線「清澄白河」駅 徒歩10分
築年数 1982年7月~1984年5月
総戸数 81戸



敷地の真ん中のスペースが路地状の空間です。

ほとんどの住戸がこの路地に顔を出しています。

中心部分には、少し広場のようになった空間も。

路地はスケールも表情も様々な要素によって作られています。

花壇だけでなく、階段の踊り場などにも積極的に緑が。

北側の眺め。周囲には高い建物があまりないので、上層階からはこんな眺めが期待できます。 

間取りの一例。1DKから3LDKまで様々な間取りの部屋が混在しています。 

団地概要/下町の路地空間

建設された昭和57年当時、それまでの概念を刷新したであろう団地。

その空間は、今でも古びていないどころか、新しい驚きさえ感じさせてくれる
そんな普遍的な魅力を持っています。

でも、この団地に与えられた敷地は、設計者には試練とも言えるものであったようです。

「ショートブーツ」のようだと設計者が語っていたこの敷地は、道路に面した部分を
一般の住宅が取り囲むように埋め尽くした一画の、内側の部分。

道路には数箇所だけ顔を出している程度で、この規模の建物が建つには
あまりにも奥まった敷地です。

その悪条件とも言える敷地を逆手にとって、生み出されたのが
敷地の中央にL字型に設けられた、路地のような空間です。

ほぼ全ての住戸が、この空間に顔を出すように配置され
さらに奥行きも様々に、壁面や窓、格子やフレーム、階段や空中廊下など
小気味良いリズムで、そして程よく複雑に、様々な要素が顔を出している様子は
本当に路地裏に迷い込んでしまったかのよう。

モダニズムの潔さで、こんなにも有機的な空間ができるのかと
その表現力の高さには、驚くばかりです。

そして、例えば階段1つ取っても、通常よりも幅を広く取り
壁で閉じない開放的な作りや、他の通路に通り抜けられる工夫
そして、各住戸の前には門扉を設けて...
というように、この閉じた敷地を閉鎖的に感じないようにと、配慮がされた設計で
階段さえも縦に伸びる路地空間のようです。

その意図は、竣工から25年以上経った今も、住民の方たちに受け継がれ
敷地内の花壇だけにとどまらず、バルコニーや階段にも鉢植えが沢山置かれて
この空間をより豊かに感じさせています。

同時に、この路地空間は程よく皆が顔を出すことで、目が行き届き
防犯などの面でも安心感のある空間になるようにと意図されているそうです。

周辺環境とアクセス/現代美術館のお膝元

清澄白河駅と木場駅の間にあるこの団地。
元々は木場公園の整備に当たり、移動が必要になった人たちに
住居を提供するのが1つの目的でもあったといいます。

3ブロック先には東京都現代美術館。というこの環境。
都心からのアクセスの良さだけでなく、芸術を愛する感性を持った方たちにも
嬉しい環境だと言えるでしょう。

そして、もちろん木場公園の広大な緑も程近く。
西にも清澄庭園の広大な敷地がすぐそばです。

さらに運河が張り巡らされた、この一帯ならではの、水辺の風景まで楽しめます。

実際、この団地が建った当初、敷地の南側には運河が食い込むように
顔をのぞかせていたようです。

その運河は、今では緑豊かな公園として整備され
近隣の人々の憩いの場になっています。

さらに敷地の北側にも児童公園があり、この公園から敷地の南側まで
団地内の路地状の空間を通り抜けることができるようになっています。

普段の買い物という点では、周辺で一番大きいのは、木場駅の南にある
イトーヨーカドーでしょうか。

それ以外にも、昔からの下町ならではの商店がちらほらと残り
風情ある風景が残っています。

また、1駅分歩けば門前仲町。
ここまで来るとまさに下町的な、情緒と活気が楽しめます。

こんな風に、少し脚を伸ばすと個性豊かな顔を持つ街に出会えるのも
このエリアの楽しさかもしれません。

自転車で少し走れば、日本橋界隈や、錦糸町もすぐそばです。

この便利さも、ほとんど空きが出ない大きな理由の1つでしょう。

ココがポイント/路地とふれあい

一目見て複雑なこの作りからも想像できるように
建物の中には、様々なタイプの住戸が配置されています。

1DKから3LDKまで。
お年寄りもいれば、小さい子供も、単身者もいる。
まるで本当に小さな町がこの中にあるようです。

路地を囲んだこの空間の、建築的な魅力だけではなくて
この場所ならではの、人とのつながりや、近隣の下町の人情も含め
楽しめそうな団地です。

平日は都心からのアクセスが味方。
そして、休日は下町と公園の緑、そしてアートも。

平日も休日も充実した時間が過ごせることと思います。

借り方のコツ/やっぱり最上階が気になる!

下の階であればあるほど、路地的なディープさが濃くなるこの団地。

でも、やっぱり勾配屋根のかかった最上階が気になります。
この屋根の勾配を活かして、天井の高い空間や、ハイサイドライトのある部屋も
沢山あるようなので、ここはやはり最上階を目指して。

エレベータはないですが、頑張って上りましょう。

周辺は高い建物も多くないので、空も広く、意外と視線の抜けも楽しめます。

さらに開放感を重視する方は、敷地の東側に面した住戸は
比較的道路に面している部分が多いので、開放感も保てそうです。