団地詳細情報

芦屋浜団地


  • 70年代テクノロジー萌え!
  • 芦屋浜団地は神戸の湾岸部の埋立地にそびえ立つメガストラクチャーのプレハブ団地群。
  • その異様なまでに均質な風景と、足下に広がる豊かな緑や水辺。
  • 敷地内にはショッピングセンターや公共施設も揃っていて、まるで小さな都市のような団地です。
所在地 兵庫県芦屋市高浜町2、高浜町4-1、2、若葉町5
家賃 63,300円〜73,600円
面積 60平米〜69平米
交通 阪神本線「芦屋」駅 バス7分 徒歩1分
築年数 1979年12月~1982年8月
総戸数 977戸(UR賃貸のみ)



公園を囲むように円弧状に配置された住棟。都市計画も機能的

忽然と現れる、SFの世界

住棟に囲まれた中心部分は、木々が生い茂り、憩いの場になっています

SF的重工業建築物と、ひなたのブランコという対比が微笑ましい

地上レベルには、ホッとする光景があちらこちらに

外観で見えた黒いブレースの構造体部分は、1フロア全体が共用部。棟の間をジョイントが結んでいます

低層階の窓からは緑が、高層階に上がると圧巻の眺望が、それぞれ楽しめます

両面に開口があって、光も風もたっぷりと。外観はSFですが、室内には和室も

団地概要/巨大工業化団地

この団地を知っていますか?
きっと建築業界にいる方なら一度は見たり聞いたりしたことがあるかもしれません。

プレハブ集合住宅。
家具や設備だけでなく住戸、住棟、団地そのものまで工業化しようという試みです。

1970年代、日本は高度経済成長期で、田中角栄首相の『日本列島改造論』がベストセラーになり、セキスイハイムのプレハブ住宅「M1」が開発された時代。

プレハブ建築における独立住宅の代表が「M1」なら、集合住宅の代表が、この「芦屋浜シーサイドタウン」でした。

まさに工業化一直線の先端に生まれたのが、この団地です。

芦屋市の埋立地に立つこの巨大な工業製品たちの姿は、遠くから見ても異様な存在感を放っています。話せば長くなるのですが、この団地に関して語らずにはいられません!

この団地が構想されたのは1972年。
建設省の肝入りで、日本の住宅産業をもっと近代化しよう! というパイロットプロジェクトのシリーズ第2弾。建設期間10年、総工費500億円を投じ、コンペに160社が参加するというビッグプロジェクトでした。

最終審査の22社25提案の中から、もっとも斬新で、画期的で、実用化されている技術という実現性の高さが評価された、「ASTM(アステム)」の提案が選ばれました。

このASTMの略は、A=芦屋、S=新日本製鉄、T=竹中工務店、高砂熱学工業、M=松下電工、松下興産の頭文字。民間の共同企業体と、国・県・市、公団・公社の官民一体のプロジェクトで、途中にオイルショックや日照問題など多難を乗り越え、1982年に全街区が完成しました。

存在感のあるファサード。
巨大な鉄骨トラスの柱である階段室と、巨大な梁である5層ごとに設けられたブレースで、巨大な構造体をつくり、その間に住戸を差し込んでいます。

各住戸もあらかじめ工場で内装まで組み上げて、トレーラーで運んできたもの。
トラスの部分は半屋外となっていて、空中庭園をイメージさせます。

このロボティックスな外観は、松下の製品化欲の表れとも、当時イギリスで活躍したモダニズムの建築家ジェームズ・スターリングの影響とも……。

団地内はUR賃貸の他に、URの分譲、県営、公社、民間所有の住棟が混在しますが、見た目はほとんど変わらず、どこを歩いているのか分からなくなるほど。

この無機質な感じがいいかどうかは人によると思いますが、これぞプレハブ建築。
配置図でいうと、A、B、C街区がURの賃貸です。

敷地は、住棟の均質な表情とは異なり、公園や水辺など、かなり緑豊か。
緑の路地を歩いていると、木々の先に垣間見える均質な住棟のコントラストがいい感じに見えてきます。

共用部にはスーパーのグルメシティが入っているショッピングセンターや、スポーツセンター、郵便局や銀行などの施設も充実。

住棟配置もユニークで、1列の住棟群は公園を中心に円弧状に配置され、緑を囲んで住棟が立っています。

住棟配置もランドスケープも機能的。
この団地は、その時代の日本の技術力とストイックなまでの工業化精神を象徴しているのです!

周辺環境とアクセス/海浜埋立地でも、バスでアクセス良好。

神戸芦屋市の南、大阪湾の海浜埋立地に立地するこの団地。
最寄り駅は阪神本線「芦屋」駅。団地まではバスで7分少々です。

バス路線はかなり充実していて、JR、阪神、阪急の各路線の駅へのアクセス可。
多路線が乗り入れているので、バスは頻繁に出ています。

団地のまわりには保育園、小・中学校、高校が全て揃っています。
まさにコンパクトシティ。子育てにも共働きにも悪くない環境です。

コココがポイント/みよ!工業品ディテールの数々。

70年代のテクノロジーを最も象徴するのが、各住戸に装備された地域暖房給湯システム。
個別のエアコンや給湯器ではなく、敷地内にある巨大なボイラーで熱を生成して、温風や温水を各住戸に届けています。

住戸に備え付けられた装置スイッチが、これがまたいい味を出してるんです。

建物の入口付近にある焼却炉風の装置は、真空のダストシュート。
共用部と1階にあるゴミ投入口から近くのゴミ焼却所まで自動的にゴミを運んでくれるという、空想の産物のようなハイテク設備。

その他にも、中央にあるコミュニティセンターは外国の工場のような姿。
スクエアな煙突や外壁のサインまでも一貫してます。

一見無機質でドライな住棟も、見渡せばURと民間、公社などエリアごとにちょっとずつ違っています。
もはや間違い探しに近いほどマニアックな違いですが、探せば探すほど、気になるテクノロジーやディテールが団地内につまっているのです。

借り方のコツ/芸術的なまでの団地ビュー

工業化へのストイックな精神は間取りにも反映され、これだけの住戸数がありながら、間取りはほぼ1パターンしかありません。

となると、選ぶポイントはずばりビュー。
六甲山や南芦屋浜の埋立地など山・海ビューありますが、私ならむしろこの団地が一番美しく見える場所! を探し当てたいとすら思います。

この景色はもはや芸術品。毎日眺めてもうっとりしてしまうかと。

ちなみに、これだけ工業化工業化といっていますが、団地内には森のように木が生って茂っているところがたくさんあって、のびのびできる場所がたくさんあります。

工業製品っぽい堅苦しさはないので、案外住みやすいかと。

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お問い合わせ先(空室確認・住宅の仮予約・内覧ができます!)
芦屋浜団地管理サービス事務所 0797-22-5144
(10:00~12:00 13:00~16:00 水土日祝休み )

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