text=安田洋平(Antenna Inc./東京R不動産)
2月1日に大阪・心斎橋のスタンダードブックストアで行ったトークイベントの模様をレポートします!

2013 年明け1月から数回にわたって行ってきた「団地に住もう!東京R不動産」トークイベント、ファイナルを飾るのは大阪・心斎橋「スタンダードブックストア」。2月1日に行ってきました。スタンダードブックストアには昨年、R不動産メンバーの馬場がやはりトークイベントをさせていただいたり、これまでもお世話になってます。

ただ……、団地の本のイベントに果たしてどのくらい人が集まってくれるんだろう。開催の数日前に確認したときには、まだまだ定員に余裕アリと聞いていたこともあり内心不安でドキドキしていました。が、ふたをあけたら立ち見が出るほどの盛況ぶり。イベント終了後にスタンダードブックストア・オーナーの中川さんに聞いたところでは定員100名のところ130人近く来てくださっていたそうです。嬉しさひとしおでした。実際、トークの席から客席を見たときの、最前列から奥まで続く人の様子には迫力がありました。

トークイベントの中身ですが、話のきっかけになるような、言葉と写真を予めたくさんスライドにして用意しておいて、それを見ながらR不動産メンバーが自由に話すトークセッション形式を今回は採りました。僕ら自身もこれはやりやすく、楽しみながらしたい話がリラックスしてできました。

またUR都市再生機構西日本支社の方にも特別ゲストで来ていただいたのですが、トーク中、URの物件のことや借り方、制度などで聞きたいことが出てきたらその都度URの方にその場で質問。

僕ら:「団地の借り方を知っている人って意外に少ないですよね。僕らも『団地R不動産』をスタートするまでちゃんとは知らなかった。URの団地って、礼金、仲介手数料、更新料、保証人が不要なんですよね?」

UR西日本の方:「ええ。ちなみに、敷金はあるんですけど、これも現在キャンペーン中なので、分割して支払うことができたりします……」

敷金の分割払いの仕組みがある賃貸住宅なんて、あるんですね。会場のお客さんたちも、熱心に耳を傾けていました。

その他、現在、関西の3団地で進行しているMUJI×UR団地リノベーションプロジェクトのこと。京都で行った観月橋団地リノベーションの話。大阪の森之宮団地の一室を使って開催したDIYワークショップの様子など、合計で17ものテーマについて話しました。

そういえば観月橋団地は、リノベーション住戸に実際に入居されたお客さんも来てくれていたので聞いてみました。「住み心地、どうですか?」「南北方向に風の抜ける心地良さが気に入っています。あとはレイアウトの可変性があって、使い方を住み手が工夫できるところ」

最後は馬場が“2050年の話”で締めくくりました。「これから人口は減って行き、2050年には1970年の頃と同じくらいの人の数になる。この何十年かは高密度でぎゅっとした集合住宅が住宅の主流になってきましたけど、これからは小さな空間に人を詰めこまなければいけない時代ではなくなる。むしろ低密度で、環境が幸せなかたちで存在している、そういうことの方が住む場所の価値として大きくなっていくと思います」

思えば、僕らは今回の本をつくりながら、団地にそういう、新しい時代の住宅の世界観を重ね合わせて見ていた気がします。だから団地は古くて、でも新しいインスピレーションを与えてくれる存在。

ともあれ1時間半、あっという間で、楽しい夜でした。東京と大阪で計3回、トークイベントを行わせていただきましたが、お越しくださったたくさんの皆さん、本当にありがとうございました!

参考URL:

書籍『団地に住もう!東京R不動産』(amazonのページ)

MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト

【連載コラム】観月橋団地再生ストーリー

【連載コラム】団地を素敵にすみこなすUR賃貸のDIYラボ