Rトピックス
京都の団地で新しいコンセプトのテナント募集!
Text=馬場正尊(東京R不動産/Open A)
築60年超え、歴史的にも価値のある堀川団地。
この団地で、京都・西陣のものづくりに新しい風を吹き込むテナントを募集中です。


センスのいいカフェができるなど、新しいカルチャーが芽生え始めた堀川商店街。

京都・ 西陣にほど近い堀川団地。京都を南北に貫く「堀川通」に面した、古くて味のある団地だ。
6棟からなるこの団地では、中央の2棟が昨年春にリノベーションされた。(詳しくは、「連載 京都堀川団地リノベーションプロジェクト」を参照。)

団地の1階は、特徴的な店舗が軒を連ねる商店街。戦前や昭和初期から続く魚屋、焼鳥屋もあれば、最近できたカフェやショップも混在するこの通りは、京都の歴史と今が交差する独特の空気を醸し出している。


この団地ができるより前、ここが「堀川京極」の名で栄えた商店街だった時代から続く、昔ながらの店舗も残っている。

その堀川商店街で、現在4区画の空き店舗が募集されている。
ただし、普通のテナント募集ではない。

実は、この西陣エリアは京都における“ものづくり文化”の未来を指し示す、重要な場所と位置づけられている。そして堀川団地も、戦後最も初期に建てられたRC造の団地として有名な建築でもある。

その歴史の堆積と西陣の文化がアーティストの好奇心をそそるのか、最近では様々なアーティストたちが、堀川団地をフィールドにインスタレーションを展開している。2013年には「BEPPU PROJECT」で知られる山出淳也氏が、12人のアーティストと共にアートプロジェクト「CITY IN MEMORY」を展開した。また今年2月には、「京都国際芸術祭」の一会場としてこの団地が使用され、国内外のアーティストによる作品が並んだ。

こうした数々の実験的アートの舞台として、堀川団地は様々な表現者・アーティストを魅了してきた。それを受けるように、現在この京都の伝統産業継承の地・西陣における新たな創造文化発信拠点である「西陣アート&クラフトセンター」構想が、京都府によって検討されている。数年後には、ここが新しいクリエイションを生み出す街へと様変わりしているかもしれない。


年に2回行われる「堀川まつり」には、地域内外から溢れんばかりの人が訪れ、賑わいを見せる。

古さと新しさ、日常と非日常が交差する堀川商店街。
昔ながらの商店の隣に、感度の高いニューカルチャーのショップが入り始めている。

貸主である京都府住宅供給公社(以下「公社」)はその流れをくみ、さらに新しいカルチャーの空気を運んでくれるテナントを呼びたいと考えている。そこで今回、テナント募集のテーマとして掲げられたのが「アートと交流」だ。


募集中の空き店舗は、全てスケルトン。店舗中央には耐震補強のためRCの壁がある。この特殊な間取りをどう生かすか、アイデアが求められる。

しかしながら単なるテナント募集ではなく、テーマ重視であるため募集プロセスは少々煩雑だ。

ただ入居申し込みを出せば良いのではなく、この空間をどのように使い、どんな雰囲気で、どのようにエリアを導きたいか、独自性のあるコンセプトや具体的な事業計画が求められる。そのような手続きを経て、テナントをしっかり決めていきたいというのが、貸主の意向だ。

まずは、“こういう条件なら出店したい”という希望について、6/24までに公社と「事前相談」する。そこで条件面での要望について交渉し、その後「正式公募」という流れになる。また応募時には提案書を作成して、店の改修プランや収支計画などを提出することになる。

初期投資や家賃など、より優位な出店条件を引き出せるかどうかは、店の提供できる商品・コンテンツやサービスが、「アートと交流」というテーマにどう寄与できるか、どれほど魅力的で、かつ具体的な事業プランを提示できるかによるだろう。1区画に1テナントとは限らない。様々な発想で事業提案ができるはずだ。

大変だけれど、それだけこのエリアに期待と注目が集まっているので、そのハードルを乗り越えられる強いコンテンツメーカーの出現に期待したい。


デリが人気のカフェ「KYOGOKU DINING」や、ショコラティエ・野口和夫が監修したチョコレート専門店「NEW STANDARD CHOCOLATE Kyoto」など、新しいカルチャーを発信する拠点が生まれ始めている。

この文脈とコンセプトに賛同し、京都で新しく店舗を持ちたい方は以下の募集概要をご確認の上、公社まで直接問い合わせてほしい。

堀川団地 空き店舗募集概要

詳細と問い合わせ先は、以下のリンク先にてご確認ください。
京都府住宅供給公社 募集概要及び要綱

募集区画:
堀川出水団地第1棟  115号室 58.40平米
堀川出水団地第2棟  211号室 60.24平米/218号室 58.98平米/219号室 78.35平米

事前協議の趣旨:
・出店希望者の方々から多様な声を聞き、公社がそれを参考に正式公募の要件を検討・準備する。
・基本テーマであり出店の理念的な要件となる「アートと交流」の具体的イメージについて情報交換や協議をする。

事前協議の対象:募集要件、手続き、提案書の書き方など、出店者募集に関わること
※公社側が協議のスタート地点として考えている募集要件などについては前回の募集要領に記載されていますので、それをひとつの目安としてください。
前回の募集要綱【PDF】
※事前協議にあたっては、期間中に「事前協議書」を提出する必要があります。

事前協議期間:2015年6月24日(水)まで
事前協議先:京都府住宅供給公社 業務推進部 街づくり推進課

アドバイス体制:
公社との事前協議においては、希望者が堀川団地への出店計画を描けるように様々な情報交換をしますが、専門家のアドバイスも受けられるよう別途アドバイス体制を準備しています。

<応募提案や企画づくりのアドバイザー>
株式会社 フラット・エージェンシー TEL 075-464-0669
株式会社 大陽リアルティ TEL 075-256-6161

<経営相談(出店に際しての経営的な側面の相談)>
京都府よろず支援拠点(中小企業・小規模事業者のための経営相談所) TEL 075-315-8660

正式公募について:
事前協議期間終了後、応募条件を確定し正式公募をスタートさせます。
この正式公募期間は約1ヵ月を想定しています。
出店希望者は、この期間内に公社が定めた様式をそろえて「応募提案書」を提出します。
応募提案書の内容の審査、面接審査を経て出店者を正式に選考します。

内見・事前協議などのお問い合わせ先: 
京都府住宅供給公社 業務推進部 街づくり推進課
住所:京都市上京区出水通油小路東入丁子風呂町104番地の2(京都府庁西別館2階)
TEL:075-431-4151/FAX:075-432-2049
E-mail:horikawa@kyoto-juko.jp (※件名は「空き店舗問い合わせ」としてください。)
受付時間:9:00~17:00/土日祝休み