text= 馬場正尊(東京R不動産/Open A ltd.)・大我さやか(Open A ltd.)
前回コラムでは「アイランドキッチンプラン」をご紹介しましたが、
Open A担当分では、もうひとつ、コンセプトの違うプランも用意しました。
今回はそのプランをご紹介します。そしてコラムの最後には、募集開始のご案内もあります!


土間プランのモデルルーム。土日祝にはこのモデルルームを公開しています。

■土間のある暮らし。

もうひとつのパターンは、土間のあるプラン。
アイランドキッチンプランは、時代を追うごとに家の隅から中心に場所を移してきたキッチンをコンセプトの軸に据えたが、土間プランは時代を逆行して、もう見なくなった土間空間をつくった。

不思議なもので、床の素材やレベルが少し違うだけで、つながった空間でも違った表情を見せる。
北側にリビングという団地の常識を覆す試みは、
L字につながった土間とリビングによって空間を伸びやかにし、風と光をよく通す。
同じ大きさの空間なのに、アイランドキッチンプランとは全く異なる雰囲気を醸し出している。

この土間は、日常生活から少し飛び出た機能を受け止めてくれる。
例えば、自転車やスノーボードなどを置く趣味の空間として、
靴や雑貨などのこだわりのあるものを見せるギャラリーとして、
観葉植物をたくさん育てて、植物園のような部屋をつくるのもいいかもしれない。
(防水はしていないので、水を撒いたりしてはいけないが・・・)


土間にはなにを置いても、なにに使ってもいい。これまでの団地にはない自由さを求めた。

住むだけでなく、働いてもいい。
SOHOのようなミニマムオフィスとしても、ラフに使える作業場としても使える。
土間とつながった開放的なリビング、その奥の個室はプライベートな空間として、
空間のメリハリをうまく使うといい。

土間の使い勝手は、住み手の想像力に委ねられる。

■素地を生かしたラフな仕上げ


奥の壁は、既存の仕上げを撤去し、躯体に塗装を施しただけのラフな仕上げ。天井や梁上部もザラッとした躯体の質感をあえて残している。

土間プランは、URでは恐らくこれまで考えもしなかったようなチャレンジをしている。
それは、「躯体の素地を残す」仕上げだ。
NYロフトのようなラフな仕上げ。既存の仕上や押入、天井を撤去し、そのまま塗装を施している。
URのこれまでのリニューアルといえば、ボードにクロス、巾木や天井縁までスキなく仕上げることが標準とされてきた。
それゆえどの団地も室内は画一的で、色気のないものになっている。

そのアンチテーゼともいえるような住まいを、団地でつくりたかった。
床はクッションフロアではなく、足ざわりが心地よい無垢材にワックス仕上げ。
かつて間仕切りが立っていた跡やモルタル下地のゴツゴツも、そのまま塗りつぶした。


配管は金属管で露出、照明は陶器のソケットに裸電球、スイッチプレートは新金製。小さな浴室はシャワールームに。

土間プランでは、小さな浴室も思い切って、浴槽をなくしシャワー室とした。
浴槽付の部屋もあるが、むしろ広々したシャワー室の方が好みの人もいると思う。

選択と集中。
団地を、いかに安く、そして若者が住みたいと思う魅力的な空間に変えるか。
それはコストとのトレードオフではなく、そのラフさがむしろ魅力に転換する、
僕らがこれまで積み上げてきたリノベーションのノウハウを、団地という巨大なマスに当てはめたのだ。

■モデルルームのご案内


無印良品の家具で構成されたモデルルーム。もはや団地とは思えないほど、現代生活にフィットした住まいに転換した。

1/21(土)から、毎週土日祝はモデルルームを公開しています。
おかげさまで、2月5日までの6日間で、約150組の方にご来場頂きました。
世代は20〜30代の方が中心。単身者、夫婦関わらず、若い世代の方々にご注目頂いているのは、なによりこのプロジェクトの収穫です。

継続して週末はモデルルームを公開していますので、ご興味のある方はお気軽に観月橋団地まで足を運んでみてください!(予約不要)

■募集開始します。2/12(日)は初日抽選会を開催。


こんな団地の暮らしを想像してみては?

いよいよ、2/12(日)から賃貸の募集を開始します。

初日のみ、観月橋団地集会所にて、間取りごとに抽選会を開催し、
その後は通常の賃貸同様、先着順にて受付けます。
初日の抽選は、午前は「1LDK全タイプ」、午後は「1K・2LDK」の2つのグループごとに、それぞれ順位を決定する抽選会を行い、その優先順に自分の好きな住戸をその場で特定していただきます。
この日に仮申し込みの手続を行ってもらい、2月末以降(予定:住宅より異なります)に、仮申し込みされた部屋を内覧していただいたうえで、正式なご契約の手続きとなります。

ビューやロケーションなどで特定の気になる部屋があれば、
この初日の抽選会にご参加ください。
プランによって戸数にバラつきがあるので、住みたい方はお早めにお申し込みを。

観月橋団地の募集開始 初日抽選会を開催します!

2月12日の抽選会は、おかげさまで大盛況のうちに終わることができました。ありがとうございました。
27戸の募集(抽選)に対し、約90組のお客様にご来場いただき、全戸のお申し込みをいただきました。
第2期募集は3月上旬より受付を開始する予定です。
詳細はURのサイトの他、当サイトでもお知らせさせていただく予定です。

日程:2/12(日)
会場:観月橋団地集会所(京都市伏見区桃山町泰長老176-1観月橋団地内) ※事前申込不要

時間:
【1LDKタイプ(1LDK-1,2,3,4,5)の場合】
10:00 受付開始
10:30 抽選開始(必ず10:30までにお越しください)

【1K,2LDKタイプの場合】
13:30 受付開始
14:00 抽選開始(必ず14:00までにお越しください)

注意:
※ 抽選手続き開始時刻までにお越しいただけなかった場合には、抽選に参加いただけません。
※ 抽選の結果、残余の住宅がある場合には、翌日以降、先着順にて募集いたします。当日の先着順募集はございませんので、あらかじめご了承願います。
※抽選により住戸を選ばれたお客様には、同時に同住戸のお申し込み手続きをお願いいたします。また、ご入居の前に必ず同住戸の内覧をお願いいたします。
※ 当初募集住宅については、平成24年3月20日までのご入居をお願いいたします。
※ 募集開始日にご案内する住戸に限りがあるため、お申込いただけない場合があります。あらかじめご承知おきください。
※ 抽選番号順にご案内いたしますので待ち時間が長くなる可能性がございます。時間には十分に余裕をもってお越しください。

問い合わせ先:
UR京都営業センター
電話:075-255-0499
営業時間:水曜日を除く毎日 9:30〜18:00
交通 :地下鉄「烏丸御池駅」(4-1 出口)から徒歩約1分(井門明治安田生命ビル1F)

詳しい募集条件や問い合わせ先などはURのサイトをチェック。
http://www.ur-net.go.jp/kansai/kangetsukyo/room.html

また、2/13(月)以降の先着入居申し込みは、
・ 各UR営業センター
・ 各UR賃貸プラザ
・ 観月橋団地現地案内所
で受付けています。(団地の借り方が分からない方は「団地の借り方」をチェック!)

詳しくは、上記の「UR京都営業センター」までお問い合わせ下さい。

観月橋団地リノベーションのプロジェクトサイトはこちら。
http://www.ur-net.go.jp/kangetsukyo/

観月橋団地の詳しい物件情報、問い合わせはこちら。
http://www.ur-net.go.jp/kansai-akiya/kyoto/0800.html

【連載】観月橋団地再生ストーリー
第1回 昭和の団地にタイムスリップ
第2回 カマボコと51C型のすばらしさ
第3回 反転するキッチンの効果。
第4回 土間のある暮らし。
第5回 “挿入”と“継承”のリノベーション
第6回(最終回)新旧住民の交流会

次回第5回は、Bエリアを担当する建築家・星田逸郎氏のプランをご紹介します!