text= 編集部/photo= 平野 愛(FLAT-FIELD PHOTO STUDIO) ※図版キャプションにクレジット記載のあるもの以外すべて
前回からのつづきです

「団地のこれからについて一度語り合いませんか?」
どちらともなく、そんなことを言い合ううちに座談会を行うことになりました。
UR西日本支社の中堅職員と団地R不動産メンバーの面々。さてどんな話が飛び出すか。

◆ご近所づきあいはコワい?


「うーん・・・」

小正:あの・・・、たとえば大我さんが団地に住んだとしたら、自治会って入ります?

千葉:自治会って、入っても入らなくてもどっちでもいいんですか?

小正:大阪の市営住宅は基本的に加入が前提ですが、うちは、入る入らないは自由です。

大我:正直、若い人にとっては自治会って響きがちょっと重たいかも・・・。

馬場:確かに、ちょっと近寄りがたい感じのイメージがあるよね。

餅:たとえば町内会って名前変えてみるのはどうですかね・・

千葉:若い人はそのほうがいいかもしれないですね。


餅「たとえば名前を少し柔らかめに変えるっていうのはどうですかね・・」

小正:たとえば30代前半くらいの若い層で、新しく団地に入居する方たちとお話ししていると、「自治会って入らないと駄目なんですか」と聞かれることがあります。自治会に限らず、まずはご近所づきあいに対して苦手意識があるんですよ。僕は「自治会に入る入らないは自由だけど、入っていた方がなにか困った時に助けてくれるよ」って言うんですけどね。

岩城:他には「掃除の当番とかあるんですよね」と言われたりもしますね。確かにそうした団地もあるんですけど、でもそれは逆に言うと、すごくきれいにしていて目も行き届いている団地ということなんです。コミュニティーもしっかりしていて、実はそういう団地のほうが住みやすかったりする。

小正:そういえば、今回の観月橋団地リノベーションプロジェクトがきっかけで新たに入居された人の中には、「自治会入れるんですよね」って自ら聞いてこられた方が何人もいらっしゃいましたよ。

岩城:新しい人が自然に入ってこれる雰囲気を作り出せることが大事ですよね。

小正:やっぱり色んな世代がいたほうが活気が生まれます。子育てサークルのイベントなんかで、小さい子供さんたちと一緒になっているお年寄りの顔を見ているとすごい生き生きしているんですよね。

馬場:世代間が交流するようなきっかけをどうつくれるかだね。

千葉:今度、団地R不動産で、観月橋団地に新しく入った方たちを集めてお話を聞けたらと思っているんですけど、それと、既存の自治会の人との顔合わせみたいことが一緒にできたらいいですよね。そうすれば、「ああ、あの時のあの人!」みたいにその後は自然に話せるかな。


観月橋団地リノベーションプロジェクト(京都市伏見区)を通じて、新しい人たちが多く入居することとなった。観月橋団地再生ストーリーはコチラ。 (写真提供=UR西日本支社および編集部)