text= 編集部/photo= 平野 愛(FLAT-FIELD PHOTO STUDIO) ※図版キャプションにクレジット記載のあるもの以外すべて
◆次は、「地の部分」が大切になる


小正「ソフトに関わること以外では、何かありますか?」

小正:ソフト以外では何かありませんか? ハード面や設計面などで、この機にURにひとこと言っておきたい、ということがありましたら(笑)

馬場:ええと、団地の住棟を今後どうしていくかについては議論がだいぶされるようになってきましたよね。だから「その次は何か」ということについて話したい。それは外構(注)、すなわち団地の建物の周りの、言うなれば「地の部分」を今後どうするかだと思うんです。せっかく団地は恵まれた環境が唯一無二の魅力としてあるのに、そうした財産が下手をすると失われていってしまうのではないかと危惧を抱いています。
注・・・外構/住棟まわりの外部環境、植栽、駐車場、公園など。


馬場「この次は、団地の『外構』について議論していくことが大事になるはず」

千葉:団地は、建物と同等、いやそれ以上に、周りにすごく豊かな環境があるというのが一番の魅力的なところですよね。

馬場:今日は団地の未来について語ろうといいながら、実際には「自治会」だったり「おばちゃん」だったり「祭り」だったり、ややもすれば、なくなりそうなものたちが実は1番未来じゃないか、といった話になったようにですね。環境も、実はあれが一番大切だったと語るときが必ず来ると思うんです。住棟と、ソフト事業のコンペがあったとしたら、その次は「外構の新しい使い方」について話し合うのがいいのではないでしょうか。

この座談会では、最初に想像していたのと違う、意外な未来が描けて、でもそれがかえって良かったんじゃないかと思います。本日はみなさん、お疲れさまでした。

(2012年3月30日 UR西日本支社にて収録)


座談会終了後、屋上で参加者の記念撮影!

【連続コラム 全2回】
団地の未来を考える座談会 その1
団地の未来を考える座談会 その2