僕が団地に決めた理由(わけ)
三箇山 ♀

第5話 団地妻になった私

2012年5月8日

バトンがまわってきました。三箇山♀です。私からもつれづれなるままに・・・

満足度は、夫同様「高い」です。想定外でした。
そして、いろいろとカルチャーショックがあります。今はそれをたのしんでいます。

たとえば、エレベーターの使い方について。

初日のこと。エレベーターの扉が開くと、中からは子どもを乗せた団地妻が、自転車に跨いだ状態で登場。そのままスーっと漕いで行ってしまいました。

「えええ!」

そうしたくなる気持ちはわからなくもないけれど・・・
びっくりしました笑。ちなみに、駐輪場は1階にあります。

それから、敷地内の駄菓子屋は15時開店です。
小学生の下校時刻に合わせての開店なのでしょうか。営業はたったの数時間。
店の外には、年季の入ったゲーム機やガチャガチャが並び、プラモデルなんかも売っています。そして、ちゃんと小学生のたまり場になっています。ちなみに、ロシアの子どもたちはゲーセンで1日平均3,000円を使うというけれど、ここでは・・・到底無理でしょう。1回50円。なつかしい相場です。

追伸;ミニ四駆大会 
平日の夕方、駄菓子のカップラーメンを抱えながら、ジャージ姿の少年たちが集まっていました。慣れた手つきです。ジュニア編は、ごくごく日常のようです。
あ、そうか。この駄菓子屋がミニ四駆を売りつつ、コースを貸し出しているのだな。

薄暗いところの中華料理屋 
敷地の隅に1軒あります。テイクアウトをしている人はよく見かけるものの、どうも雰囲気が・・・と入る勇気が足りなかったのですが、先日ついに行ってきました。

扉を開けると、店内ほぼ満席。ゆるりとさだまさしの曲が流れ、なぜかレジの上にはシャンデリア。「必ず食券をお求めください」と書いてあるのに、すぐにおばちゃんがオーダーを取りに来てくれるシステム(未だ券売機は見当たりません)。

また、このお店はお客さんがいろいろです。
新聞片手にビール、餃子をつまむおじさんは、途中で隣りのおじさんに新聞交換を提案します(おふたりは初対面)。大きなサングラスをかけて‘いつもの席’でひとりレモンサワーを味わう老婆は、お洒落です。「チャーハン大盛り、丼で持ち帰りっ」という注文が叫ばれたり、子どもたちを横であそばせながら、お酒とたばこを片手にしゃべっている団地妻たち、眉の手入れが完璧な青年、家族連れ、外国人カップル。日曜日は、草野球帰りのお父さんたちが賑やかにテーブルを囲みます。

と、外からは全く想像がつかなかった、大変健康的で大変ステキなお店でした。21:20閉店です(細かい!)

そして飲食つながりでもうひとつ、特筆すべきは‘団地の台所’について。
たいていは敷地内にあるのですが、ここは近くの砂町銀座商店街。通称スナギン(どっかの地方銀行のようですね。ちなみに私は「ギンザ」と呼んでいるので、夫をよく混乱させています)。

八百屋、肉屋、魚屋、惣菜屋、豆腐屋、酒屋、とにかく個人商店が元気です。実は団地に住むまで、肉屋さんでお肉を買ったことがなかったのですが、、ここではそれがあたりまえ。見よう見まねで、私も買えるようになりました。

それから、名物のおでん屋さん。スナギン内に2軒あります。でもこのおでん。なんと、ビニール袋で売っているんです。まず、ビニールを広げて待ち構えるおばちゃんに、希望の具を伝えていきます。頼み終わると、お玉でジャバジャバと汁が注がれ、輪ゴムで縛って、はいどうぞ! という具合です。毎回袋が破れないかハラハラしますが、今のところ大丈夫です。

こんな調子のスナギンには、あまり飲食店がありません。食材を買って、家で食べるのが主流のようです。よって、スナギンは18時半を過ぎるとあちこちで片付けがはじまり、
19時に行くともう真っ暗。ドトールですら19:30閉店です。開いているのは、赤札堂くらいでしょうか(さすが、赤札堂は個人商店に負けず劣らず、いつも大変賑わっています)。

あとは、銭湯が2軒あります。銭湯の入口正面では、宝くじを売っています。週末はここが商店街の抽選会場になり、大抽選会が行なわれています。そして、これがまたすごい。大当たりが出ると「○丁目の○○さん、○賞当選しました!」と、マイクでスナギン中に流れます。しかも、2回も読み上げられます。個人情報は・・・関係ないようです。
祝日は、本物のちんどんやが行進していることも。商工会が元気な証。

あらら。脱線したまま・・・夫にバトンを戻しまーす。

この連載について

最近、東京R不動産のメンバーのひとりが、団地に引っ越しました。実際、団地に住むってどうなの? このブログでは、実際の団地ライフの模様を、メンバー、およびその妻の目線から定期的に語っていきます。

この連載に登場するのはこちらの団地です。
北砂五丁目団地

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