階段室型の住棟の一種。
通常の階段室型の場合、住棟の中に何本か階段が作られるのに対して、階段室分離型の場合には建物の短い辺の壁(主な開口方向ではない側)に階段が作られて、ここから各住戸に入ります。
つまり、各階には住戸が2つだけ。
そして、複数の住棟が階段室でつながれるので、住棟と住棟の間に階段があるような形になります。
こうすることで、プライバシーがより確保しやすくなると同時に、階段室の踊り場が全て外気に面しているため、階段室が閉塞的にならないという利点もあります。
緑地などを囲むように住棟を配置して、空間を分節化することで、庭のような空間を作る配置の手法。
空間に変化をつけたり、庭のように豊かな空間を作ることを目的にすると同時に、囲まれた空間によってコミュニティの単位を明確にして、コミュニティを育みやすくするという目的もありました。
直線的な配置や、直角による配置は緊張感があるため、それを避けることも同時に考えられることが多かったようです。
正式名称は「端島」。
言わずと知れた、伝説の島ですね。
なぜ団地R不動産で軍艦島か?
実は、この軍艦島に建てられた「30号棟」という建物が、日本初の鉄筋コンクリート造の集合住宅だと言われています。
長崎の遥か沖合いにあるこの島は、海底炭鉱の採掘のために開発され、住居から学校や病院、果ては寺院から娯楽施設まで、都市機能が集約された人工の島でした。
そして軍艦島には、「30号棟」が建てられた1916年以降も、集合住宅が次々と建てられることになります。
そういう意味で軍艦島は、団地的な島でもあったと言えるかもしれません。
建物の片側に長い廊下を作って、そこからそれぞれの住戸に入るタイプの住棟。
もちろん、逆側には窓面やバルコニーがズラリと並ぶ、ということが多くなります。
階段室型などの住棟に比べて、エレベータや階段の本数が少なくなって経済的ですが、廊下側の個室の窓の前を人が通る、という弱点もあります。
集合住宅では一般的な造りと言えると思います。
(関連項目)
> 階段室型
いわゆる昔の団地と言えば...という感じのスタイル。
典型的なのは階段の両側に玄関がある形で、それぞれの階段ごとに、各階2つまたは3つの住戸の玄関があるのが一般的です。
窓の前を人が通ることがないので、プライバシーが確保しやすいのと、採光が取りやすいのが特徴です。
ただし、エレベーターが付きにくいので、6階以上の建物に使われることは、まずありません。